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日本の零戦、イギリスのスピットファイアーと並び、第二次大戦における傑作機のひとつが、ドイツ空軍主力戦闘機のBf109だ。1934年、ドイツ航空省による次期主力戦闘機の競作で、ハインケル、アラド、フォッケウルフの三社を抑えて採用されたのが、バイエルン航空機製造会社(BFW)の新型戦闘機、Bf109である。設計者ヴィルヘルム・エミール・メッサーシュミット博士(技師)によるBf109のコンセプトは、小型軽量の機体に高出力エンジンと重武装による一撃離脱戦法であった。1935年に原型機が初飛行し、翌年の1936年に量産型Bf109B1の生産が始まった。


やがてドイツはスペイン内乱(1936年)にBf109を投入する。極右勢力であるフランコ軍の支援とともに、本機の実戦データを収集するのが目的であった。この内戦で得たデーターによって改良されたBf109は、E型へと発展し本格的に量産が開始される。Bf109の総生産機数は23,000機とも33,000機ともいわれているが、正確な機数は確認されていない。通常30,000機前後と考えるのが妥当であり、Eシリーズに限っていえば2,400機が生産されている。


本機の呼び名は『Bf109』と『Me109』が混在している。ドイツ機の名前は通常、頭にメーカーの頭文字が付く。ハインケルはHe、フォッケルフはFw、Bf109のBfはバイエルン航空機製造会社(BFW)のイニシャルである。しかし1936年にBFWの主任設計者であったメッサーシュミット博士が同社の代表者となったため、社名をBFWからメッサーシュミット株式会社に変更したのである。その結果、それ以降の機体には『Me』という頭文字が使われるようになった。しかし、頭文字の使い方に明確な規定がないため、『Bf』と『Me』のふたつの表記が混在することになってしまった。どちらも間違いではないが、一般的に社名変更後に開発された機体は『Me』と考えるべきだろう。世界最初の実用ジェット戦闘機であるMe262や、ロケット戦闘機Me163を『Bf』と表記することはない。
全幅9.90m 全長8.80m 全高2.45m 主翼面積16.15u 自重2,016kg 全備重量2,803kg エンジン ダイムラベンツDB601A 離昇出力1,100hp 最大出力1,020hp 最大速度524km/h 航続距離660km 実用上昇限度10,000m
武装 MGFF-20mm機関砲二門 × MG17-7.92mm機銃二挺 
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Messerschmitt Bf109E-4N  メッサーシュミットBf109E-4N    第26戦闘航空団司令  フランス1940.9/25
Messerschmitt Bf109E-4N  メッサーシュミットBf109E-4N    第26戦闘航空団司令  フランス1940.9/25
Messerschmitt Bf109E-4N  メッサーシュミットBf109E-4N    第26戦闘航空団司令  フランス1940.9/25
Messerschmitt Bf109E-4N  メッサーシュミットBf109E-4N    第26戦闘航空団司令  フランス1940.9/25
Messerschmitt Bf109E-4N  メッサーシュミットBf109E-4N    第26戦闘航空団司令  フランス1940.9/25
FOCKEWULF  Fw190 A-8          フォッケウルフ Fw190 A-8
FOCKEWULF  Fw190 A-8          フォッケウルフ Fw190 A-8
ユンカース  Ju87B  スツーカ
Junkers  Ju87B  STUKA
Junkers  Ju87B  STUKA
フォッケウルフ Fw190 D9
Fw190は先進的で完成度の高い戦闘機ではあったが、高々度性能が不足していた。その改善のため、従来の空冷星型エンジンから液冷V型12気筒エンジンへと換装したのがD型だ。A型より機体は長くなり外観も大きく変わったが、高々度性能、上昇力、最高速度、旋回性能などが飛躍的に向上した。しかし、高々度性能はまだ満足のいくものではなく、D9は更なる改良を施されTa152へと発展する。FW190の最終型、Ta152が戦場に姿を現したのは、大戦末期の1945年のことだった。レシプロ戦闘機の最高傑作とも呼ばれるTa152だが、敗戦目前の状況下では信頼できるエンジンの生産は困難であり、実戦での稼働率の低さは当時の日本同様であった。
第二次大戦末期の1945年3月、アドルフ・ガーランドによって編成されたJV44(第44戦闘団)は、Me262による世界初のジェット戦闘機部隊だった。戦闘能力においてあらゆる連合国戦闘機を凌駕するMe262だが、前例のないテクノロジーゆえに欠点も多く、中でも離発着時の問題は深刻だった。極度に悪いスロットルレスポンスのため、着陸態勢に入ったMe262は敵機に狙われても回避できなかったのだ。そこで、離発着時のMe262を援護するため、Fw190D9による直援隊が編成されたのである。ベテランパイロットによるD9の援護は効果的であり、敗戦までのわずかな期間に最強のインターセプターMe262は歴史的な戦果をあげたのである。
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